オンライン診療で睡眠薬は処方される?流れ・できること・できないこと
「病院に行く時間がない」「待合室で人に会いたくない」。オンライン診療は、こうした理由で不眠の相談をためらっていた方の選択肢になります。 一方で、オンラインだからこそできないことも決まっています。このページでは、厚生労働省の指針に基づいて、流れとルールを整理します。
オンライン診療で睡眠薬は処方されるのか
結論から言うと、医師が診察したうえで必要と判断すれば、処方されることがあります。 ただし、次の2つのルールがあります。
ルール1:初診で処方できるのは7日分まで
厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針」では、初診のオンライン診療で処方する場合、日数は7日間を上限とすることが定められています。 これは、対面より得られる情報が限られる初診で、長期の処方を避けるためです。8日目以降も続ける場合は再診が必要です。
ルール2:向精神薬は初診のオンライン診療では処方されない
同じ指針で、麻薬および向精神薬は初診のオンライン診療で処方しないことになっています。 睡眠薬の中には、向精神薬に指定されているもの(ベンゾジアゼピン系や、いわゆる非ベンゾジアゼピン系の多く)があり、これらは初診のオンライン診療の対象になりません。
向精神薬に指定されていない睡眠に関するお薬には、次のようなものがあります。
- オレキシン受容体拮抗薬:レンボレキサント(デエビゴ)、スボレキサント(ベルソムラ)、ダリドレキサント(クービビック)
- メラトニン受容体作動薬:ラメルテオン(ロゼレム)
- 漢方薬:酸棗仁湯、加味帰脾湯、抑肝散 など
どのお薬が向いているかは、症状や体質、飲んでいる他のお薬によって変わります。診察で医師と相談して決めます。
診察の流れ(一般的な例)
医療機関によって細かな手順は異なりますが、おおむね次の流れです。
- 予約・問診:スマートフォンから予約し、症状・既往歴・服用中のお薬を入力します
- 本人確認:運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を提示します。指針で医師と患者の双方に本人確認が求められています
- 診察:ビデオ通話で医師が診察します。睡眠の状態だけでなく、気分の落ち込み、肝臓の病気、併用薬などを確認します
- 処方・お薬の受け取り:処方箋を薬局に送るか、医療機関からお薬が配送されます
- 再診:お薬が合っているか、副作用がないかを確認します
オンライン診療で「できないこと」
対面の診察が必要と判断されることがある
指針では、オンライン診療は対面診療と組み合わせることが原則で、医師が必要と判断した場合は対面診療を求めることになっています。 たとえば次のような場合は、対面の医療機関への受診を勧められることがあります。
- 気分の落ち込みが強い、死にたい気持ちがある
- 大きないびきや呼吸の乱れがあり、睡眠時無呼吸症候群の検査が必要
- 肝臓や腎臓の病気があり、血液検査で確認が必要
- 症状が複雑で、ビデオ通話だけでは判断しきれない
診察しても処方されないことがある
「オンラインなら簡単に薬がもらえる」と思われることがありますが、医師が診察して適さないと判断すれば処方されません。 これは対面でも同じで、患者さんの安全を守るためのものです。
費用の考え方
オンライン診療には、健康保険を使う場合と、自由診療(保険を使わない)の場合があります。
| 健康保険を使う | 自由診療 | |
|---|---|---|
| 費用 | 診察料・薬代の1〜3割を自己負担 | 全額自己負担 |
| 医療費通知 | 加入している健康保険から届く通知に、医療機関名が載ることがある | 載らない(保険を使わないため) |
| 保険証・マイナ保険証 | 必要 | 不要(本人確認書類は必要) |
自由診療は費用が高くなる一方、勤務先の健康保険組合などを経由しないという特徴があります。 自由診療を選ぶ場合は、診察料・薬代・送料を合わせた総額を事前に確認してください。 なお、どちらの場合も診療録(カルテ)は医療機関に保存されます。
睡眠薬を使うときに知っておきたいこと
- 眠気の持ち越し、ふらつき、頭痛、だるさなどの副作用が報告されています。翌朝の運転や機械の操作には注意が必要です
- お酒と一緒に飲むと作用が強く出ることがあります
- 他のお薬との飲み合わせで、血中濃度が変わるものがあります(一部の抗真菌薬・抗菌薬など)。服用中のお薬は必ず伝えてください
- 自己判断で量を増やしたり、急にやめたりしないでください。やめ方は医師と相談して決めます
- お薬は不眠への対処の一つです。寝る前のスマートフォン、カフェイン、就寝時刻のばらつきといった生活の見直しも、あわせて行うことが勧められています
まとめ
- オンライン診療でも、医師が必要と判断すれば睡眠薬が処方されることがある
- 初診は7日分まで。向精神薬は初診のオンラインでは処方されない
- 本人確認が必要。対面の受診を勧められることや、処方されないこともある
- 自由診療は全額自己負担。総額を事前に確認する
当院でのご相談について
当院(渋谷駅まちかどクリニック)は、渋谷駅徒歩4分、看板を出していない一室で、完全予約制・お一人ずつ不眠のご相談をお受けしています。ご来院が難しい場合はオンライン診療もご利用いただけます。健康保険を使わない自由診療のため、費用は全額自己負担です。オンライン診療では向精神薬に該当するお薬はお出ししておらず、初診でお出しできるお薬は7日分までです。症状によってはお薬をお出しできない場合や、他の医療機関の受診をお願いする場合があります。
LINEで相談するよくある質問
オンライン診療の初診で睡眠薬は出してもらえますか。
医師が診察して必要と判断すれば処方されることがあります。ただし初診では7日分までで、向精神薬に指定されている睡眠薬は初診のオンライン診療では処方されません。
どんな睡眠薬ならオンラインで処方されるのですか。
向精神薬に指定されていないお薬、たとえばオレキシン受容体拮抗薬(レンボレキサント、スボレキサント)、メラトニン受容体作動薬(ラメルテオン)、漢方薬などが対象になります。どれを使うかは診察で決まります。
本人確認は必要ですか。
必要です。運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を、診察時に確認します。
診察を受ければ必ず薬がもらえますか。
いいえ。診察の結果、お薬が適さないと判断される場合や、対面の医療機関の受診をお願いする場合があります。
参考にした情報
- 2024年 福井大学医学部 卒業
- 2024年 医師免許取得
- 都内の大学病院に勤務
- 2026年 当院を開業
- 認定産業医
この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の診断や治療の指示ではありません。症状がある場合は医療機関にご相談ください。