眠れないとき、何科に行けばいい?受診の目安と科の選び方
「眠れない日が続いているけれど、病院に行くほどなのか分からない」「行くとしても何科なのか分からない」。 このページでは、受診を考える目安と、症状ごとの科の選び方を整理します。
まず、受診を考える目安
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」や日本睡眠学会の情報では、次のような状態が続くときは医療機関への相談を勧めています。
- 寝つきが悪い、夜中に目が覚める、朝早く目が覚める、といった状態が週に3日以上ある
- それが1か月以上続いている(3か月以上続くと「慢性不眠障害」と診断されることがあります)
- 日中に眠気・だるさ・集中力の低下があり、仕事や生活に支障が出ている
- 寝る時間を整える、カフェインやお酒を控える、といった工夫をしても変わらない
- 気分の落ち込み、不安、食欲の変化を伴っている
「眠れない」こと自体はだれにでも起こりますが、日中の支障が出ているかどうかが受診を考える分かれ目です。
症状ごとの科の選び方
眠れない原因は一つではありません。症状の特徴によって、向いている科が変わります。
心療内科・精神科
- 寝つけない、途中で目が覚める、といった不眠そのものを相談したい
- 気分の落ち込み、不安、イライラを伴う
- ストレスのきっかけがはっきりしている
不眠の相談先として最も一般的です。「精神科」に抵抗を感じる方も多いのですが、不眠の相談で受診する方は珍しくありません。
内科(かかりつけ医)
- どこに行けばよいか迷っている
- 血圧、糖尿病、甲状腺の病気などで通院している
- 咳、痛み、頻尿など、体の症状で眠れない
かかりつけの内科があるなら、まずそこで相談するのも一つの方法です。必要に応じて専門の科を紹介してもらえます。
睡眠外来・睡眠専門クリニック
- 大きないびき、睡眠中に呼吸が止まっていると指摘された
- 十分寝ているはずなのに日中の強い眠気がある
- 夜勤・交代勤務で睡眠のリズムが乱れている
睡眠時無呼吸症候群などは検査が必要です。呼吸器内科や耳鼻咽喉科で扱うこともあります。
神経内科(脳神経内科)
- 夕方から夜にかけて脚がむずむずして、じっとしていられない
- 睡眠中に脚がぴくつくと言われた
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)などが疑われる場合です。
婦人科
- 更年期の症状(ほてり、発汗、動悸)とともに眠れなくなった
- 月経周期に合わせて眠りが乱れる
受診前に整理しておくとよいこと
診察がスムーズになるよう、次の点をメモしておくと役立ちます。
- いつ頃から眠れないか
- 週に何日くらいか
- 布団に入る時間、眠りにつくまでの時間、起きる時間
- 夜中に目が覚める回数
- 日中にどんな支障があるか
- 飲んでいるお薬・サプリメント(市販薬を含む)
- お酒・カフェイン・たばこの量
- 最近の生活の変化やストレス
2週間ほど「睡眠日誌」をつけてから受診すると、医師が状況をつかみやすくなります。
受診をためらう理由と、それぞれの考え方
「たかが不眠で受診していいのか」
不眠は、それ自体が治療の対象になる状態です。長引くと気分の落ち込みや生活習慣病との関連も指摘されており、早めに相談するほうが選択肢は広がります。
「受診したことを知られたくない」
健康保険を使って受診すると、加入している健康保険の医療費通知に医療機関名が載ることがあります。 知られたくない事情がある場合は、自由診療(保険を使わない診療)という選択肢もあります。費用は全額自己負担になるため、事前に料金を確認してください。
「薬を出されて、やめられなくなるのが怖い」
睡眠薬にはいくつかの種類があり、依存性の程度や作用の仕組みが異なります。不安があれば、診察時に「依存が心配」と伝えてください。薬を使わない方法(睡眠衛生の指導や認知行動療法)が選ばれることもあります。
気分の落ち込みが強いとき
眠れない状態に加えて、「消えてしまいたい」「死んだほうが楽だ」という気持ちがある場合は、不眠の相談よりも先に、こころの相談窓口や精神科・心療内科に連絡してください。
- #いのちSOS:0120-061-338(24時間)
- よりそいホットライン:0120-279-338(24時間)
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」に、地域の相談窓口がまとまっています
まとめ
- 眠れない状態が週3日以上・1か月以上続き、日中に支障があれば受診の目安
- 迷ったら内科(かかりつけ医)か心療内科・精神科。いびき・無呼吸は睡眠外来、脚のむずむずは神経内科
- 受診前に「いつから・週何日・寝る時間と起きる時間・飲んでいる薬」をメモしておく
- 気分の落ち込みが強いときは、こころの相談窓口へ
当院でのご相談について
当院(渋谷駅まちかどクリニック)は、渋谷駅徒歩4分、看板を出していない一室で、完全予約制・お一人ずつ不眠のご相談をお受けしています。ご来院が難しい場合はオンライン診療もご利用いただけます。健康保険を使わない自由診療のため、費用は全額自己負担です。オンライン診療では向精神薬に該当するお薬はお出ししておらず、初診でお出しできるお薬は7日分までです。症状によってはお薬をお出しできない場合や、他の医療機関の受診をお願いする場合があります。
LINEで相談するよくある質問
眠れないだけで病院に行ってもいいのでしょうか。
はい。眠れない状態が週に3日以上、1か月ほど続き、日中の眠気や集中力の低下など生活への影響が出ているなら、受診を考えてよい目安とされています。
最初は何科に行けばよいですか。
迷う場合は、かかりつけの内科か、心療内科・精神科のいずれでも相談できます。いびきや呼吸の乱れを指摘されている場合は睡眠外来や呼吸器内科、脚のむずむず感がある場合は神経内科が向いています。
オンライン診療でも相談できますか。
相談できます。ただし初診で処方できるお薬の日数や種類には決まりがあり、対面での診察が必要と判断される場合もあります。
参考にした情報
- 2024年 福井大学医学部 卒業
- 2024年 医師免許取得
- 都内の大学病院に勤務
- 2026年 当院を開業
- 認定産業医
この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の診断や治療の指示ではありません。症状がある場合は医療機関にご相談ください。